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慢性疼痛・しびれ

漢方における痛みのメカニズム

漢方の基本病理に“通じざれば即ち痛む”という概念があり、気(神経など)・血(血管、血液など)・水(体液、水分代謝など)が何らかの原因によって停滞すると、痛みが出たり、しびれたりすると考えます。

漢方薬の処方は、専門医で使用する一部の生薬を除き、大半のものは“気(き)・血(けつ)・水(すい)”の流れを改善する事で痛みやしびれを改善していきます。 効果のレスポンスは緩やかですが「いつの間にか痛みが無くなっていた」「薬の量が少なくて済むようになった」など、少しずつ効果を積み上げる様な効き方をします。

一方で消炎鎮痛剤などは、最初は良く効きますが、だんだん薬の量も増えていくので長期に使用し続けると副作用(胃腸障害、肝障害etc.)が問題になってきます。

部位や痛み方によって変わる漢方の処方

漢方の診断学には五臓と関連して“上焦・中焦・下焦”という分類があり、同じ“気の痛み”“血の痛み”“水の痛み”の症状でも部位によって使用する処方は違うので、漢方薬といえどやみくもに服用するのはおすすめできません。
状態を正確に判断できないと正しい治療ができず、特に慢性化している痛みは複雑かつ原因が複数ある場合が多いので、豊富な知識を基に総合的に判断する必要があります。

単純な原因が始まりだったとしても、放置していると他の臓器や組織に負荷がかかり、新たな痛みが出てくる事があります。
この場合は一番つらい症状の治療と同時に、その根本にある原因を把握し、対策を取る必要があります。

特に厄年を過ぎた頃から“気血”の流れに変調をきたし痛みを訴える方が増えてきますが、対処が早ければ早いほど慢性化を防いだり、コントロールが容易になります。

40歳前後からが要注意

40歳くらいから“血(けつ)の痛み”を訴える方が増えます。
厄年は“体に出てくる合図(小さな異常)に気をくばる年齢ですよ”という時期です。
この頃から漢方で言う“気血(きけつ)”のバランスが崩れ易くなり、現代医学でいうホルモンや自律神経のバランスに変調をきたし易くなります。

この状態は“更年期障害”や“精神的な病気”と診断される事が多いのですが、根本には血流の不調や、血液の能力(栄養・酸素を運ぶ)の低下があり、これに伴う“血の痛み”を訴える方が多くなります。 スポーツ選手の多くがこの頃に引退を決意されるのは、これも理由のひとつでしょう。

血液の能力の低下には個人差があります。 生まれ持った体質もありますが、正しい養生の仕方次第でかなりの差がでます。

歳だから仕方ない・・と諦めることはありません!

急性の痛みの大半は医療機関の治療で比較的速やかに軽減できますが、慢性化したり加齢に伴い出た痛み・しびれは一時的に緩和できても年中繰り返し、少しずつ憎悪していく事が多いです。

特に鎮痛剤は長期に服用すると胃腸だけでなく、肝臓などに負担がかかるものも多いです。 また加齢による筋骨の弱りは病院では手が届きにくく、対症療法だけに頼ると薬の量が増えるだけでなく、副作用も増えてきます。

問題なのは“なぜ長期にお薬を服用する必要があるのか”です。

専門医に「歳だから仕方がない」と言われても、これからの人生、寝たきりにならず生きて行かなくてはなりません。
年齢を重ねる事は避けられませんが、問題の根本には筋骨の老化があり、これを遅らせる方法が漢方にはあります。

対処療法薬と機能維持の薬があります

痛み・しびれの対処療法薬と、機能を維持する為の薬として『補腎薬』『活血薬』『健脾薬』があり、全く使い方が異なります。 これらを上手に組み合わせる事が重要です。

また、漢方には活血化瘀(かっけつかお)という血液の活力を取り戻し、汚れて詰まりそうになった血管を回復させる漢方薬を用いた治療法があります。
痛みを伴う全ての疾患の治療のベースとして併用する必要があります。

例えば『頭痛』の場合は活血化瘀薬と補血薬、『腰痛』には活血化瘀薬と補腎薬などを使用します。 また、糖尿病や高血圧など、生活習慣病の治療の際にも“合併症”の予防や進行を抑える為に活血化瘀薬を併用される事が望ましく、健康で長生きのパートナーとなる漢方薬です。

活血化瘀薬には、部位として“胸より上”の痛み・凝りに良く効くものや、“膝や腰”など関節の痛みしびれに良く効くものもあります。
専門的な判断が必要なので、どうぞご相談ください。

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