漢方には“養生なくして治療なし”という根本的な考え方があります。
怪我や急性疾患の一部を除けば“治療効果は養生の上にのみ成り立つ”事は冷静に考えると当たり前ではないでしょうか。
検診によって早期発見できても、本来の意味での予防にはなりません。
健康を取り戻す為には“発病に至った本当の原因は何か”を考える必要があり、健康を維持するうえで“養生”は絶対に必須です。
慢性疾患、生活習慣病の予防、治療には不可欠な要素です。
また、急性疾患や感染症からの回復にも差がでます。
漢方は加齢と共に弱ってくる機能を賦活させる方法が確立してます。
特に厄年や還暦の時期に機能の変調が起り易くその前兆を見逃さない事が大切です。
前兆と原因を総合的に判断して進行を遅らせる薬草などを用いて養生を行うと、機能を賦活させたり発病を予防する事ができます。
養生には『“補腎(ほじん)” “活血(かっけつ)” “健脾(けんぴ)”』という3大要素があります。
互いに影響し合っているこれらの養生法を行う事で健康を維持する事ができます。
それぞれの要素について簡単に説明します。
『補腎(ほじん)』
補腎とは“腎精”を補い活性化する事です。
腎精とは男性・女性ホルモン、成長ホルモン、細胞内外の代謝酵素などを包括したもので、漢方では『先天の精』と『後天の精』に分けて考えています。
『先天の精』とは生まれつき持っている遺伝的なエネルギーであり、『後天の精』は日常の活動や食事から得られるエネルギーの事です。
腎精の衰えは精力減退、不定愁訴といった様々な症状として現れ、老化につながります。
高齢になり補腎が追い付かなくなった時は“鹿茸”などの漢方薬で急速補腎が必要な方も多くいらっしゃいます。
補腎は枯渇してから始めるのではなく、不足と思われる症状が出始めたら始める必要があります。
『“活血”(かっけつ)』
“活血”とは、単に血液サラサラではなく、血液の活力を高め血管が詰まらないようにすると同時に、漏れ出ないようにする力を高める事です。
活血力の低下は様々な症状(頭痛、慢性的な肩こり、アザができやすい、むくみやすいなど)として現れます。
古来より“風邪は万病の元”と言われてきましたが、これは感染した時に血液に活力がないと様々な組織で微小の血栓ができ、痛みやしびれが発生したり持病が悪化したりする事を指しています。
漢方薬にはそれらを予防、改善する“活血化瘀(お)薬”があり、長生きの為の妙薬として開発されたものもあります。
体調の違和感を感じられた方は、予防としての“活血化瘀(お)薬”を普段から服用される事をお勧めします。
詰まってからでは手遅れで、完全には元に戻りません。
『健脾(けんぴ)』
健脾とは脾臓を健康にする事ではなく、食べたものの栄養素の分別と吸収に関わる膵臓、肝臓、胆嚢、胃腸の機能を正常にする事を言います。
この機能が弱ってくると慢性便秘、下痢、自家中毒、時にはリーキーガット症候群などの疾患に繋がる事もあります。
単なる治療薬では対処できないので、今は外科手術で腸を切除される方も数多くいらっしゃいますが、こうなる前に“脾”の健康を高める事が重要です。
多くの方は加齢と共に食は細くなっていき、消化・吸収力も低下します。
若さと健康を維持する栄養素を少しでも多く摂り入れられるよう食事のバランスに気を付けると共に、若い方でも胃腸に不安があれば“脾の機能”を高める“健脾薬”の服用をお勧めします。

- 健康で長生きする
- 内臓疾患やがんを予防する
- 視力や聴力を衰えさせない
- 慢性疾患を進行、悪化させない事
健康で長生きする
養生には、長期間の臥床(がしょう)や制限の多い生活(食・体)を送る方法とは別に、自分の意思で自由に行動できる日々を過ごす為の方法が数多くあります。
漢方には『未病』と言う考え方があり、病気でもない健康でもない状態を『未病』、発症し既に病気ができ上がった状態を『己病(いびょう)』と言い、実はこの『未病』の時が病気を予防したり、改善できる時期なのです。
現代医学では『己病』になると、疾患にもよりますが完全に元の状態に戻る事はまれで、不健康な状態や不自由な状態で過ごさなければならない方が多いようです。
特に、心臓や脳の疾患は発症すると寝たきりになる確率が高いので『未病』の段階での予防・改善が重要で、この段階での養生の有無で発症の確率や予後も大きく変わってきます。
漢方薬は治療だけでなく、加齢と共に不足していくものを補い、弱っていく機能を高め維持する養生に適したものもあるのでお勧めです。
内臓疾患やがんを予防する
“がん”や生活習慣病などは、日々の習慣の積み重ねによって引き起こされるものが多く、食習慣や運動の有無、嗜好の偏りや休養の取り方などが大きく影響しています。
これらの疾患は健康診断で早期発見する事はできますが、本当の意味での予防ではありません。
本来予防とは、疾患の発症を遠ざける為に、暴飲、暴食、過労、喫煙etc.や、つい知らずに行っていた不健康な生活習慣などを見直し、個々に合った養生法を実践する事です。
今テレビや雑誌etc.では、体に良いとされる様々な健康食品やサプリメントが紹介されています。
しかし“〇〇をのめば良い”というのは全ての人に当てはまるものではありません。
必ずご自身の体質や状況に合ったものを、専門的な知識と経験を持った方に相談してください。
視力や聴力を衰えさせない
視覚・聴覚・臭覚・味覚などは“脳神経”が支配していますが、神経細胞は微量ミネラルなどが欠乏すると正常に働く事ができなくなり、様々な症状に悩まされます。
それぞれ専門医の診断も必要ですが、加齢や過労によるものは漢方薬や不足を補う養生法で改善、維持する事も可能ですので、是非ご相談ください。
慢性疾患を進行、悪化させない事
本来人間には、自分の体を守る『生体防御力』という大切な働きが備わっており“ウイルス”や“細菌”の侵入・増殖を防いだり、変異細胞である“がん細胞”や傷ついた細胞、古くなった細胞などを休みなく処理する事で健康を維持しています。
また、この働きでバランスを保つ事により、ウイルスや細菌とも共存しています。 この『生体防御力』の働きが低下した時に感染したり、発病し治療となるのですが、治療薬には『生体防御力』を傷つけ低下させてしまうものが多いので、治療と養生をバランス良く行う必要があります。
“がん”を含めた慢性疾患などは、治療期間が長期に渡る事が多く、薬の副作用による体力の消耗などで寿命を縮めてしまう方も多いので、より養生が重要です。
治療と同時に『生体防御力』を増強・活性化しておけば、副作用に負ける事なく攻守のバランスを保つ事ができ、より良い結果が出ると確信しています。
困った時は是非ご相談ください。
私達の体に備わる“健康を維持する生体防御力”を高める為にも、養生は非常に重要です。
感染症を例に挙げると、同じ年齢でも普段からの養生の有無によっては治癒に至るまでの期間や症状の出方、後遺症のリスクなどにかなりの差が出ます。
また〝現代型栄養失調〟になりやすいファーストフード、加工食品、レトルトなどを多食している方は、特に注意が必要です。
この様な食生活を続けていると生体防御力の低下は否めず、実年齢は20代でも〝生体防御力は70代並み〟という事にもなりかねません。
病気は日頃からの養生や生活習慣を見直し改める事で遠ざける、あるいは上手に共存して破綻しない様にする事こそ重要だと思います。
病院ではあくまでも〝病気〟が主役なので、発見する事が最大の目的です。
疾患名が決まれば治療方針、治療薬も決まりますが、ここに“養生”はありません。
ただやみくもに恐れるより、日々養生を実践し、平穏な日常をお過ごし頂ければ幸いです。
当店では、健康相談から不妊治療、美容、ダイエットなど様々なご相談をお受けしております。
個室のカウンセリングルームや美容相談専門のスペースなどもご用意しております。
ご相談の際は、予めご予約を頂くとスムーズにご案内できます。
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